著者: Abby Lee Miller(アビー・リー・ミラー)
タイトル: Everything I Learned about Life, I Learned in Dance Class
出版: William Morrow / 2014年7月15日
ジャンル: しつけ、子育て、指導法、ダンス
Kindle版はこちら (1,323円)

アビー・リー・ミラーはダンススクール経営者、振付師。1980年、若干14歳でダンススクールを開き、数多くの子ども達を教えブロードウェイやディズニーランドなどへ送り出す。

この本を勧めたい人

  • 小さな子どもを持つ親(ダンスを習わせたい親からその他習い事をさせている親や子育てで悩む親)
  • ダンスを含む様々な種類の先生(とくに乳幼児から18歳くらいを教えてる先生)
  • ダンス(クラシックバレエ、コンテンポラリー、リリカル、ヒップホップ、アクロバティック、(新)体操、タップなど)を習ってる子ども達(ダラダラと習っている子からプロになりたい子まで)
  • 人生見出だせない大人子ども

この本を勧められない人

  • うつ病患者(アビーのハイパーな性格は疲れさせるかもしれないため)

本の出だしFOREWORD(序文)は、マディ・ズィグラー(Maddie Ziegler)が書いている。

アビーはとても厳しい指導者で、保護者を敵に回し、生徒からも疎まれることもあるが、マディアビーを尊敬していて大好きなのがDance Momsの放送からも分かる。序文からもアビーの注意を真っすぐ受け止め、感謝しているのが読み取れる。

Because if you aren’t willing to give 100 percent, then why should your dance teacher?
(あなたが100パーセント力を出そうとしてないのに、なぜダンスの先生が出さないといけないの。)

わたしがアビー・リーにたどり着いたのは、Siaが新曲を作っていないのかとYouTubeでチェックしたら、Chandelierのミュージックビデオが上がっていて、マディ・ズィグラーのとりこになって、Dance Momsを知ったから。
YouTubeに上げられているDance Momsだけ観ていると、怒鳴ってばかりの怖いおばちゃん、しかも生徒のお母さんから罵られまくりの先生くらいにしか見えない。でもDVDを観るとアビーの指導の真意が見えてくる。ちょうどタイミングよく彼女の本が出版されたので買って読んでみた。

とくに何とも思わず読み始めたら、驚くほど共感できる部分が多い。人種も育った国も違うのに、すごく似てるところがある。リアクションとか考え方とか。そして同じ年代の子ども達を教えるわたしにとって、この本はバイブルになりました。

My dreams for them are often bigger than the dream they have for themselves.
(わたしが子ども達に持つ夢は、彼ら自身が持つ夢より大きい。)

子ども達に教えていて面白いのは、伸び代が大きいところ。どんな子でも夢があれば努力して諦めなければかなうはずだ。夢がかなわないのはやっぱり心のどこかで諦めているんだろう。子ども自身だけじゃなく親も。

“Helicopter parenting”
(ヘリコプターしつけ)

この言葉は初めて聞いた。Wikipediaで”Helicopter parent“を開くと、日本語版があったので見てみたら「モンスターペアレント」になっていた。結果的にモンスターペアレントになるかもしれないが、全然違う。ヘリコプターペアレントは、子どもの行くとこ行くとこついて行き、子どものすることに手出しをし、口出しをする親のことだ。
わたしの時代にはいなかったように思うし、これまでの生徒の中にもいなかったが、レッスンをお友達と一緒に体験に来たママに1人いた。子どもは男の子でもう6歳になっていたが、体験レッスン中、他のママ達が一歩引いたところで見守る中、そのママは真後ろまで来て口出しをし、最終的には隣でせっせと男の子がするべきことを代わりにしていた。子育ては自由だけど、子どもの自尊心は育たないまま大人になることを思うと可哀想だ。

They forget one day they’re not going to be there and their kids are going to have to function on their own.
(ママたちは自分たちがいつかそこからいなくなり、子ども達は自分の力でうまくやっていかないといけないことを忘れている。)

親から見た子ども同士の付き合いに関する不安や、困った親との付き合い方とかも書かれている。ママ友にうんざりしているお母さん達にもいいかも。ただ日本で通用するか分からないけど。

ダンスと学校の両立についても興味深い。
アメリカの学校は、ある一定期間休むと退学になるらしい。義務教育なのに? 公立学校なのに? って不思議だけど、アビーの住むペンシルベニア州は厳しいルールがあるみたいだ。そこでアビーマディと妹のマッケンジーにホームスクーリングをすすめ、去年か今年くらいから学校に通わずホームスクーリングを受けることを選んだ。
日本では違法であるホームスクーリング。義務教育中のホームスクーリングは、わたしも必要はないと思う。とくに日本では、公立学校なら欠席しても退学になるということはないし、必要性はないんじゃないか? 究極ないじめに遭っているなら別だけど。

教育がすべてだと思ってない。学業優先という考え方も分かるけど、子どものうちに学ぶことは学校外にもたくさんあるし、そういう機会があるのに学業優先して、いつ学ぶの?

Happiness is not something you find, but something you create…
(幸せは見つけるものじゃない。自分で作り出すものだ。)

教えることに対してすごく力が湧いたし、自分が生きていくことに対しても前向きになった。わたしが生まれる前からダンススタジオを開いて今年で34年、わたしも今のアビーと同じ年齢になるまで頑張っていこうと思った。

わたしがダンスにそんなに興味がないため書き忘れていましたが、ダンスをするための素質、ジャンル別の練習、ダンスに向かないスポーツなども書かれています。すっごい端折ってすみません。

多くの人たちに読んでほしい本ですが、英語で書かれています。英検でいえば準2級か2級くらいのレベルで読めると思いますが、アメリカの話し言葉やスラングも多く出てきます。